ここ、天国の森では、一組の天使の結婚式が行われていた。新郎の耕介・新婦の麻衣を妖精達は華麗なダンスで祝福し、他の天使達は祝いの美酒をくみ交わしている。…誰もが二人の永遠の幸せを祝っていた。
そんな中、聖天使の使命を受けた使いが、耕介を訪ねて森に現われる。その知らせは幸せの絶頂にあった二人を、無残にも引き裂いてしまうものであった。
「人間界への修行の旅」…天使ならば誰もが行う義務。天使達は心を育てるために人間界への修行の旅に出る。それは、天使に課せられた避けられない義務である。しかも、一度人間界に降りた天使は、天国での記憶を失ってしまい、修行を終えない限り天国に戻ることはできない。
結婚式を迎えたばかりの二人にとって、その事実はあまりにも絶望的なものだった。なぜならば、たとえ再び天国に戻っても、広大な天国で二人が元のように逢える確率は皆無に等しい。逆らいようのない運命に従い、麻衣を残して旅立つ耕介。麻衣もついて行こうとするが、天国の掟には逆らえない…。
しかし、麻衣や仲間の天使達の必死の想いに心を打たれた聖天使の力により、麻衣に一つのチャンスが与えられた。
…果たして、耕介と麻衣は永遠の運命を手にすることが出来るのだろうか?
作・演出:森ただひろ